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[] 2005年9月の感想 []


晩夏の手紙 蛇と水と梔子の花 [足塚 鰯 コバルト文庫 2005/09/01 読了][bk1][Amazon]

 六姫が行方不明なった。3日前に開かれた"園遊会"の夜からいなくなってしまった六姫。六姫の許婚の白比佐は、兄の黒波と、一郎太に捜索への協力を依頼する。しかし、六姫のことで、白比佐には隠していることがあった。
 やっぱりシリーズ化になったか、という感じで、「蛇と水と梔子の花」の第二弾。他の姉妹の見合い話がまた短編で語られるのかと予想していたら、意外にも話は六姫と白比佐の話……そのまま「蛇と水と梔子の花」の続きになっていました。だけど、私はもともとこの二人の続きも見てみたいな、と思っていただけに、嬉しかったですね。

 感想。の前に。私、この作品に関してものすごい勘違いをしておりました。この話の舞台を私は電気の普及する前の昔の日本だと思いこんでました。妖怪がたくさん、人間に知られず家まで建てて暮らしているような土地が、現代日本にあるような気がしない、っていうのが思い込みの素。なので、今回人間が出てきたときは、「え、携帯? お、思いっきり現代なのかー!?」とびっくりいたしました(笑) まあ、それはともかく。

 内容自体は非常に安定した面白さを感じました。楽しかったです。行方不明になった六姫。その根本の原因が、こりゃ無理もないわ、という感じなのがよかったですかね。話のまとまり方も好きです。
 一郎太と二朱の二人は、結婚後も同じノリで、「仲いいなぁ」と微笑しました。
 不憫なのは、一郎太の弟、継次郎。勘違いっぷりも、その後の悲惨な状況に巻き込まれたことも、そして最後まで不憫としかいいようがないですねー(笑)
 白比佐の継次郎への態度には、いろいろにやけてしまうものがあったり。六姫ラブな感じがにじみ出てて好きです(笑)
 そして、四津の爆弾発言。まあ、当人じゃないからまだまだ救いはありそうですが、それにしてもなぁ、という感じでしたねー。周りが本気で騒ぐ雰囲気がとても楽しかったです。

 六姫と白比佐の話はとりあえず落ち着いたっぽい感じもするんですが、続きが出るなら、二朱の縁談話には興味があるし、四津や伍宮の話も読んでみたいですね。

 ところで、一妃と一郎太の子どもの中に雛がいましたが、生まれたときって、卵だったんだろうか?(笑) 妖なので、何があっても不思議に思いませんが、ふと気になりました。激しく本編に関係ないですが。
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オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う [栗原 ちひろ 角川ビーンズ文庫 2005/09/02 読了][bk1][Amazon]

 魔物による毒のために病弱な、剣士であり薬師のカナギ。「命の花」を求めて旅する彼は、完璧な美貌を持つ謎の詩人と出会う。詩人とともに目的地を目指すことになるカナギだったが、罪人であるカナギを狙って、暗殺集団が襲い掛かってくる。撃退するが、その中で生き残った少女ミリアン。彼女はカナギの命を狙いつつも供に行動することに。そして、彼らは不死者の住む町で事件に巻き込まれていく。
 第三回ビーンズ小説大賞、優秀賞受賞作。これで三作出揃いですね。で、この作品の感想。

 なんというか、よく分からない……というか、何だか私の中にはいま一つ入ってこなくて、妙な隔たりを感じてしまう話でした。面白くなかったわけではないんですけども。魔物の設定には独創性もありますし、病弱主人公カナギや、詩人のソラ、暗殺者の少女ミリアン、それぞれ個性的で、嫌いじゃないんです。何ででしょう……。読みにくいとまで思わないんですが、とにかく読みながら感想の掴みにくい話だな、と思いました。うーん。読者賞が他作だった、というのもちょっと頷けるかも。

 そんなわけで、非常に感想が書きにくいです。ストーリーに関してはとくに。キャラクターに関して思ったのは、ミリアンの心情変化の過程はずいぶんあっさりしているなぁ、ということでしょうか。
 それから登場人物、個性的でありながらでもどっかで見たようなものが寄せ集められた気がするのと、軽い掛け合いなんかにはオリジナリティがなくて(特にカナギが病弱言うな! ってコンプレックスに対する態度はありがちな気も)、特別面白く感じられなかった、というのはあります。
 あと、幼馴染みの少女が、ものすごく影が薄くて、過去の回想なりでもうちょっと前置きしてほしかったかも、とは思いました。

 ただ、なんとなく作品の持つ雰囲気はわりと伝わってきて、そこは好きですかね。あと、カナギの薬師の職業は彼の背景ともどもうまく活きているなぁと思いました。
 それから、ラストの三人のまとまりは好きですね。続きに対して想像の余地があって。

 えーっと、とりあえずよく分からないなりに、それなりに楽しめたかな、という気はしました。
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伯爵と妖精 呪いのダイヤに愛をこめて [谷 瑞恵 コバルト文庫 2005/09/05 読了][bk1][Amazon]

 持ち主に不幸が降りかかる呪われたブラックダイヤ。ダイヤを手に入れたエドガーの周囲では不吉なことが立て続けに起こるが、彼はダイヤを使ってプリンスに対抗しようとしていた。
 一方のリディア。都合エドガーと形だけの婚約をしている彼女の前に、婚約指輪のムーンストーンの管理人だという妖精コブラナイが現れる。そして、この妖精に、リディアは伯爵の花嫁として扱われ、さらに指輪が抜けなくなってしまう。
 シリーズ五巻目。今回も面白かったですねー。エドガーの気持ちが分からないほうが面白かった、というのは個人的にあるんですけども、これはこれで一つの新展開になってきましたし、まあいいかと。リディアも無意識の意思表示というか、とにかくラストの部分が良かったですねー。

 今回は呪いのブラックダイヤを中心にした騒動。エドガーの御家のこともちらちらと出てきたり。プリンス側ではやはりユリシスが。
 ついでに、今回伯爵身辺の噂は「ハーレムを持ってるらしい」です(笑) まあ、これもいつものごとく、意味があるんですけどねー。

 やっぱり今回良かったのは、ストーリーよりもリディア側の気持ちがあちこちで垣間見れたことですかねー。いつもみたいに振り回され、押しのけているだけじゃなくて、まあもう一歩踏み込めた感じが良かったです。具体的にはエドガーを慰めようとしているところとか、ラストのほうでケルピーに対して取った態度とか、もちろん、情緒不安定状態で口走ったらしいあの言葉とか(笑)
 エドガー側はまた露骨な感情が結構出てたり。そのくせ、最後では葛藤も。さて、これからどうするのやらー。

 とにかく楽しめました。続きも楽しみです。
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円環少女(サークリットガール) 1バベル再臨 (著:長谷 敏司)[角川スニーカー文庫 2005/09/07 読了][bk1][Amazon]

 魔法世界から〈地獄〉と忌み嫌われる地球。なぜなら、人類は観察するだけで魔法を消滅させてしまうからだった。そして、魔法世界で罪を犯したため、〈地獄〉に堕とされた〈円環体系〉の使い手である少女、メイゼル。〈地獄〉で敵対魔導師を100人倒すという死刑にも等しい刑罰を受けた彼女は、《公館》の専任係官武原仁とともに、過酷な魔導師との戦闘に身を投じる。
 そんななか、絶えたはずの《再演体系》の魔導師が現れ、《公館》の敵、神聖騎士団や《鮮血公主》ジェルヴェール・ロッソが獲得のために動き出し、メイゼルたちも巻き込まれることに。
 ストーリーはなかなか面白かったです。あと、キャラクターがとても良かったですねー。仁に対して独自サインを送るメイゼルが可愛い。白熱した戦闘も盛り上がって面白いです。
 ただし、文章が読みにくかったです。とくに序盤から中盤。魔法に関するうんちくがくどくどと。書いているほうは楽しいのかもですが、正直なところ、興味ない教科の教科書を読んでいるみたいな感覚。理解する気が薄く、頭に入ってこないので、書いてあることが即座に理解できないのです。結局、読解する手間が面倒で流し読みしましたが……。読者に読解力を強要されている感じが。

 だけども、ストーリー面では十分に楽しめる出来でした。いろいろな人物が入り乱れて、それぞれの目的のために、行われる死闘。文字通りの死闘です。敵の凄まじい戦闘力に圧倒されたり(とくに、エレオノールと、《鮮血公主》)、メイゼルの一途さにほろりときたり。とにかく盛り上がって楽しかったです。

 キャラクターの設定とかはわりとヘビーですかね。メイゼルたち、罪を犯した《刻印魔導師》は、《公館》に取っては使い捨ての道具で、100人の魔導師を倒さなければならない、とい刑罰の過程でほとんどは死んでいくのです。実際そういうシーンも描かれます。
 メイゼルは自称25歳ですが、どうみても12歳の子ども。子どもに負わされた罪としては過酷すぎる罰に、仁はいろんな思いがあるようです。
 メイゼル以外の魔導師の面々にしたって、それぞれ背負っているものがあります。きずなとか、神聖騎士団とか。
 ですが、ノリも軽い部分があって、息抜きもできるし、その辺りのバランスはちょうどいい感じでした。
 キャラクターも個性的で、いろいろな人物が登場しますが把握しやすかったですし。

 とりあえず、続編も期待ですが、文章だけはもうちょっとどうにか……。とにかく、この作品の一番の欠点がそこなのです。それさえ気にしなければ、普通に面白く楽しめるですけども。
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バード・ハート・ビート 舞姫天翔! [伊東 京一 ファミ通文庫 2005/09/08 読了][bk1][Amazon]

 テオの夢は、競鳥騎手になること。巨鳥が棲む渓谷の国ラビーヌでは、鳥とともに人は生きていた。
 ある日、愛鳥ミルヴィルと空を翔けていたテオは、巨鳥に襲われていた異国の少女リーンを助ける。彼女はラビーヌの首都、《天の高地》……天都にどうしても行かなくてはならないという。しかし、彼女の大ハトは怪我を負って飛べない。テオは彼女を天都へ送り届けるという仕事を請けることになるが……。
 面白かったです! これはオススメできますねー。

 巨鳥を使ったレースの騎手、競鳥騎手になりたい少年テオと、ある使命を追った少女リーンとのボーイ・ミーツ・ガールな冒険ファンタジーですが、世界観をとにかく前に出して、魅力的に見せてます。競鳥シーンに面白さがあるし、各所で活きてます。さらに、リーンとの冒険も面白いです。全体通しての好感触に、読後感の爽やかさ。これぞ冒険ファンタジーな感じがとても良かったです。キャラクターたちもとても生き生きしてますねー。

 ストーリーは王道的かもですねー。リーンの設定とか、目的とか、それに合わせたテオの行動とか。でも、山あり谷ありで面白いです。随所で楽しめて、最後まで全く退屈しませんでした。
 でも、テオとリーンの恋心みたいなのは、もうちょっと書いてあっても良かったなと思いました。でも、書いてなくても伝わってくる部分、というのがあるので、これはこれでいいのかも。この二人、最後は結局ああいう形で落ち着いて、ちょっと残念な気もしつつ、でも全く希望がないわけでもないという、物語的な余白の部分が、想像力を煽ってくれます。

 キャラクター。テオはこういうタイプの小説では、わりと直球な感じの主人公。でも、それだけに良い味があって好きですね。
 リーンの正体はわりとすぐに予想できて、でも予想できるからこそ、なんとも言えない気分で読み進めました。彼女の目的が、目的だけに、テオと心通わせていくのを見るにつけ、あー、あー、と心の中で呻いていました(笑)
 忘れてはならないのが、テオの相棒、巨鳥のミルヴィル。鳥のくせに感情表現が実に豊か。テオとの信頼関係とか、絆が良いですよね。擬人化されている部分では、本当にこいつ鳥か!? と驚いてしまったりも。
 他のキャラクターもそれぞれいい感じですね。ララとかイスカ、ディエゴ、《愚王》ことシュアル王。みんなこの世界に生きてるんだなーという感じが伝わってきて良かったです。

 とにかく面白かったです。ファンタジー嫌いでなければ人を選ばず楽しめるんじゃないかな、と私見ながら思いました。
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薔薇のマリア V.荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐 [十文字 青 角川スニーカー文庫 2005/09/09 読了][bk1][Amazon]

 ベアトリーチェを《SMC》から救出したマリアたち。しかし、ベアトリーチェの属する《秩序の番人》と《SMC》で、果し合いが行われることに。だが、《SMC》が卑怯な戦法に出ないはずもなく、《SMC》傘下のクランが、アサイラムを襲う。マリアたちZOOのメンバーはアサイラムに向かうが……。
  シリーズ四冊目(本編は三冊目)です。あー、今回も面白かったです。今回で一応《SMC》抗争は一区切り……なんですが、明らかに次への伏線が張られているので、そっちが気になって仕方がなかったりします。でも、まあここで一応区切りがついて、次からは新展開。むしろここからが本番、だそうです。楽しみですねー。

 今巻の感想いきましょう。
 とりあえず、今回一番頭に残ったのは、ユリカの過去ですかね。ユリカが幼い容姿なのには、そういうわけがあったんですね。ここまで考えられていたとは思わなくて、驚き。
 あと、ZOOメンバー、『髭』ことトワニングの本格参戦。ああ、真剣な展開に水を差す……いや、潤いを与えてくれるような、ありえない存在感が素敵です。

 で、今回の肝、《SMC》VS《秩序の番人》+ZOO。
 前回はそうでもなかったですが、今回はさすがに「SIX、汚っ!」と思いました。そういうキャラクターと承知しているせいか、腹立つとかはないんですが、とにかくえげつない。汚い。でも、デニスに対してあまり思い入れがなかったから良かったものの、あったらあの展開は納得がいかなかったかもですね。まあ、その後に続いていくんで、必要な展開なのですけど。

 それから、口絵にもあるし、あらすじでも載っているんで、書いてしまいますが、アジアンVSトマトクン。マリアのことがあってどうでるんだ、アジアン、と思ってたんですが、本当にぶつかり合うとは。でも、落ち着き方には「あー、アジアンらしいやー」とほっとしたりも。やっぱりこうでなくちゃ。
 でも、普段変態だのなんだのと罵倒しているマリアが、アジアンに対して葛藤している部分は、思ったよりも深くて、ちょっと意外だったかもしれません。何だかんだ言って、アジアンのことは心から信頼しているんだなと思いました。
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うさ恋。4 泣かせて、ゴメン。 [野村 美月 ファミ通文庫 2005/09/12 読了][bk1][Amazon]

 航平にいつもべったりの姉、海央子。航平は自分に構うばかりで男っ気のない姉に、恋人の一人でも作ったほうがよいのでは、と恋たちと相談。候補に挙がった癒し系美青年軍団だったが、実は全員が海央子狙いだった。さらに、闇鳥やプリンス四号が加わるが、そこで海央子からは爆弾発言が。
 また、闇鳥は「月森真雪はいずれきみを裏切りますよ」と言い出し……。
   うさ恋四巻目。あと一冊でシリーズ完結になるそうです。そのため、今回のラストは急展開でした。ロットバルトの企みが気になります。

 とはいえ、序盤はいつもどおりのノリでした。あと、みい姉にスポットが当たってます。いやー、みい姉になつくジーク(司)が可愛くてもう(何かツボを刺激されたらしい)。
 しかし、正直なところ「いつでもどこでも七人セットな癒し系美青年集団から、誰かが抜き出るようなことがあるとは思いませんでした。個人的にはジークの願望どおりになるのかと。マンドリンですか……」意外でした。
 あ、あとピアニッシモちゃんは可愛かったですね(笑)

 相変わらず恋は非常に優遇されてるなぁ、と思いました。でも、その結果のラスト。ああ、なるほど。こう運びますか、という感じでした。
 いつもと違って、一巻完結ではないので、続きが気になります。しかも、結構とんでもないところで終わりましたし。

 なにはともあれあと一冊。真雪と航平がどうなるか、恋はどうするのか、魔法使いは何をやろうとしているのか。まとめを待ちたいですね。
 ……ラストはやっぱりいつもの光景みたいなので終わるのかしら。それとも発展して終わるのかしら。
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エネアドの3つの枝 女ぎらいの修練士  [樹川 さとみ コバルト文庫 2005/09/14 読了] [bk1] [Amazon]

 とある事件から宮廷を去り、修道士になるために見習い修練士になったセイン。そのために立てた誓いは、二年間口をきかないことだった。
 そして一年以上が経ち、修道院長に遣いを頼まれたセインは、領主オーフとともにコウシェへ向かうことに。途中で立ち寄ったエネアドで、オーフの妹ララがコウシェへの嫁入りのため一行に加わるが、このララのせいでセインは誓いを破るはめに。
 恋愛ものなシリーズ二冊目。今回の主役は見た目華やかで色っぽい娘さんララでした。お相手は修練士セイン。今回は、エネアドが舞台になるわけではなくて、嫁入りのための道中に起こったあれこれですね。

 個人的な好みでいうと、一巻目「それでもあなたに恋をする」のほうが好きですね。でも、今回も山ある展開で充分に楽しめました。
 キャラクターに無駄がなくてまとまりよいですよねー。セインとあの人との繋がりは予想していなくて、驚きました。そこまで相関していようとは。
 ララの過去や、背負っているものも意外でしたね。彼女の母親のこととか。ラストのワンシーンが印象的で好きです。

 そういえば、私あらすじを読んだとき、セインが誓いを破ったことに関してはもっと深刻に書かれるのかと思っていました。でも、事件のあとセインがごく普通に話しだして、「あらら?」と拍子抜けしたり。まあ、別に先入観だったので、何か問題というわけではないのですけど。

 あと、ネタバレな最後の展開についての感想を、反転で。
 「最後、ララが結局嫁入りする、という展開が私は意外でした。途中でご破算になって、セインとくっつのかと思ってましたもの。でも、ララの夢の実現のために、二人の道がまた交わって再開するのは良かったですね。

 というわけで、次はシーリアらしいですね。相手役はあの人でしょうが、シーリアのキャラクターがキャラクターだけに、どう展開するのか、楽しみ……というよりも、興味がありますね。
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黄金(きん)を奏でる朝に 〜セレナーデ〜  [沖原 朋美 コバルト文庫 2005/09/15 読了] [bk1] [Amazon]

 オルガニストになりたい一心で、母を捨て村を飛び出したミレイラ。港町の教会でパイプオルガンを弾いて暮らすことになったミレイラだったが、その町で思いがけない人物と出会う。それは初恋の幼馴染み、クリスティアンだった。彼もまたこの町で男性ソプラノ歌手の花形として暮らしていて……。
 とても綺麗で印象的なシーンの多い話でした。音楽を中心にしたロマネクス調の世界観で、オルガニストの少女と、カストラート(男性ソプラノ歌手)の少年の物語です。

 面白かった……のですが、読了後の感想は「拍子抜け」でした。これで終わりなの? という感じで。だけど、それは読み手がこの物語のテーマを何と取るか、によるんでしょうけどね。幼馴染みの少年少女の話、と取ればそうでもないのかも。私の場合、少年少女よりも音楽を中心に取ってしまい、結局何一つ問題は解決していないので、幕の下ろし方に拍子抜けしてしまったんですよね。

 読後感はそんな感じでしたが、でも読んでいる間はすごく楽しめましたねー。面白かったです。最初に述べてますが、とにかく綺麗なシーンが多くて、印象に残るんですよね。

 ミレイラとクリスティアンについては、恋愛ものというには要素が弱すぎますが、でもお互いの隔意が少しずつ解けて、歩み寄っていく感じが良かったですね。
 あと、クリスティアンに関しては、村を出てからのことはもうちょっと詳しく知りたいなぁ、という興味が沸きました。
 ミレイラに関しては、問題が全然解決してないのが一番気になりました。劇場の女支配人から作曲の話もあったし、それで成功するなりなんなりすると思ったんですがそういうわけでもなし……。まあ、内容は楽しめたので、不満というのではなく、拍子抜け、という感じだけでしたけどね。

 感想まとめ。題材も好きだし、楽しめる物語でした。私の場合は最後で拍子抜けもしましたが、それを補うぐらいに面白かったです。
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リリカル・ミステリー 白い花の舞い散る時間 〜ガールズレビュー〜  [友桐 夏 コバルト文庫 2005/09/16 読了] [bk1] [Amazon]

 塾の公式サイト『教室』で出会った、顔も名前も知らないチャット仲間のアイリス、シャドウ、ララ、ミスティー、ミズキ。
 『教室』で一目置かれる存在、アイリスからの誘いで、彼女たちは人里から離れた古い洋館『ムラサキカン』で実際に会うことになる。そこでも匿名性を保つため、新たな名が振り分けられ、五日間をムラサキカンで過ごすことになったが、その場に集まったのは四人だけだった。
 結局最後の一人は現れないまま、四人だけでムラサキカンで過ごすことになるが……。
 ロマン大賞佳作受賞作。タイトルにミステリーとついているだけあって、謎解きの要素はあります。探偵推理ものではないですけどね。
 最初に一言感想。面白かったです。

 話は、名前も顔も知らない五人の少女が、オフ会でもそれぞれ正体を隠して会う、という展開から始まります。中盤までは、ごく普通に少女たちが交流していく様が丁寧に書かれていますね。伏線と思われるキーワードが気になりつつも、誰が誰なのか、という推理も働かせながら、楽しんで読めました。
 そして中盤以降の変様ぶりはなかなかインパクトがありました。最初の展開はどこに行ったんだ、という感じです。
 読みながら気になっていた各キャラクターの背景エピソード。散らばっていたそれぞれが一気にまとまって、複雑に絡み合います。そして、物語の仕掛け、謎が浮かび上がります。
 突然だったので、頭の中でまとめきれず、ちょっと混乱したりもしつつも、「ええ!?」という感じでしたね。
 「ミズキの様変わりはいくらなんでも唐突&異様すぎる」ような気はしましたが、勢いで読めますねー。このあと、彼女たちどうするつもりなんだろう。

 とにかく楽しめました。この作品は展開の変様ぶりがやっぱり一番の見所ですかね。なかなか圧倒される部分がありました。
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星宿姫伝 しろがねの継承  [菅沼 理恵 角川ビーンズ文庫 2005/09/20 読了] [bk1] [Amazon]

 神杖国を守る<斎宮>となった白雪。だが、彼女は多くのものが彼女を斎宮として認めないでいた。
 そして作法などの教養が全くない白雪は、側仕え見習い「ひいな」としてしばらく働くことに。しかし、お使いの最中で刺客に襲われて……。
 シリーズ二巻目。前回のラストの展開には驚かされたので、とりあえず読んでみました。
 今回は青磁が目立ってますね。普通に格好良くて、今回一番お気に入りのキャラクターになりましたねー。相変わらず白雪は教科書どおりのヒロインキャラクターな印象でしたけども……。

 内容自体は、一巻よりも楽しめました。青磁の働きが良かったですしね。なんというか、素直になれない不器用なところが可愛いです(笑)
 でも、他は脇に控えている、という感じ。まあ、蘇芳だけはちゃっかりおいしいポジションにいたりするんですけども(笑) 千白もほとんど出番なしで、気になるあの人の動向もイマイチよく分からないまま……。
 今回の肝は、白雪が斎宮として認められるか否か、という部分でしょうか。まあ、普通に面白かったです。

 でも、あの子に対する扱いは、そんなあっさりでいいのかな、というふうに感じました。途中、すっごく苦悩していた部分もあるわりに、決断は早くて、妙に違和感がありましたね。そりゃ、最終的にそうするだろうなーとは思いましたけども。
 前回も思ったんですが、白雪って、ストーリー上ここはこうするべきだろうという行動をとにかくなぞって行くだけな感じを受けるんですよね。私見なんですけども、そこが私、この作品が微妙、と感じてしまう点、また合わないなぁ、と思う点だったりします。

 この作品、女の子向け作品としてはキャラクターもストーリーも基本に忠実で、普通に面白いと思います。だけど、私にはちょっと合わないかな、というのは感じてしまいました。
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三辺は祝祭的色彩 Thinkers in Three Tips  [佐竹 彬 電撃文庫 2005/09/22 読了] [bk1] [Amazon]

 ITを扱う学校パスカルに通う朝倉渚。ある日、部長のすすめで情報学を利用したVRショウ<ファンタズム・タッチャブル>に参加することにしたが、友人牧野理恵は参加できない、ということで日阪道理を誘ってみることに。
 そして二人でイベントに参加するが、ショウの最中に殺人事件が起こり……。
 φ(ファイ)シリーズ二巻目ですが、やっぱり見た目は欠点の目立つ作品だなぁ、と思いました。
 専門用語連発の文章が読みにくいのはまず一つ。例え話もあまりうまくないですし、むしろ私は例え話なんかされなくても、そこは普通に理解できる、という部分はありました。
 いろいろ断定的な文章に対しては、反発みたいなものを感じることもあって、素直に飲み下せなかったり。あと世界観を活かしたトリックの部分とか。

 殺人事件が起こったり、トリックの種明かししたり、一応ミステリっぽく書いてありますし、作者さまのほうもそう読んで欲しいんだろうなーとは思うんですが、でもこれをミステリとして読むと実際腹が立つか、馬鹿を見るかのどっちかのような気がします(苦笑)
 トリックがまず普通じゃないですから。この世界観を完璧に把握していないと、分からないですしね。
 というか、「こういうことできるんじゃないの?」と思いはするんだけど、実際そういうことが可能かどうかっていうのは、判断つかないんですよ。世界観次第でどうとでも語られてしまうわけですし。
 今回も、殺人トリックなんかは、やっぱりそんなところか、という感じでしたけど、実際に明かされるまでは断定できなかったですからね。
 というわけで、私はあえてミステリとは思わないで読んでます。じゃあ、どういうジャンルのつもりで読んでるんだ、と聞かれたらちょっと困りますけども(笑)

 今回は、またもや殺人事件。で、例のごとく、日阪が容疑者の一人に。解決までの流れも、前回と同一パターンですかね。引っ掛けみたいなところは、あからさま過ぎて「ミスリードだよなぁ、やっぱり」という感じでした。

 だけど、やっぱり日阪道理というキャラクターは好きですね。いろいろ内に秘めて、それを表に出さないようなところとか。論理的で無駄のない思考とか。
 この作品に対して、悪し様に感想書いているようだけど、実は私この作品を気に入ってます。それもこれも、すべて日阪道理のキャラクター性が気に入っているから、なんですけども。
 あと、情報学、という世界観の雰囲気もわりと好きです。

 今回出てきた、<彼女>は、今までに出てきたキャラクターから考えるのであれば、あの人なのかなぁ、と思ったりもしますが、実際のところどうなのかしら。
 とりあえず、日阪が気になるし、続きが出るなら読みますけどね。
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七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!  [大楽 絢太 富士見ファンタジア文庫 2005/09/23 読了] [bk1] [Amazon]

 ドラゴンの生息地帯にほど近い街、フラン。マーガスはある日、一枚のチラシを見る。それは、武器屋『エクス・ガリバー』のオーナー募集のチラシだった。
 マーガス他、オーナー志望者が七人も集まり、とりあえず七人全員で武器屋を経営することになるが、店にはろくな在庫もなく……。
 第17回ファンタジア大賞、佳作受賞作。これは、タイトルでピン、と来ましたねー。勇者じゃなくて、武器屋。ファンタジーのいわば脇役な住人が主人公!? しかも七人って、なんだ! そんな感じで。
 それで読んでみたら、さくさくと読み進められて、気がつけば読了。楽しかったです。

 内容は体当たりで武器屋の経営をすることになった七人のお話。だけど、いきなり順調にはいかず、まず店を開くまでに問題が。店を開いてからもやっぱり躓いてしまい、いろいろ試行錯誤を重ねて、なんとかまともに商売ができるようになってきたと思ったら……。そんなストーリーの運び方のテンポがよくて、さくさく読めますねー。

 あと、内容がお気楽で楽しいです。この世界には一体いくつ『伝説の』武器があるんじゃー! とか、真面目に考えたら突っ込み所も結構あるんですが、この作品の場合、真面目に考えるのが馬鹿らしい気楽さが漂ってます。もちろん、良い意味です。
 とにかく、ノリが良くて、楽しいのです。

 キャラクターに関しては、それぞれ個性はあるけれど、一番主人公格なマーガスのキャラクター性は一番薄いかなぁ、という感じがしました。
 でも、他の個性のおかげか、七人もいるわりには、把握は簡単。誰が誰だか混乱したりとか、影が薄い、とかなくて、良いですねー。だけど、キャラクターの魅力、というにはもう一つなんか足りないかな、という感じでした。ケンジとドノヴァンはわりと好きなんですけども。

 武器屋が視点なので、他の武器屋の経営方針調査とか、細かい部分でも楽しめました。TUKAYAって(笑) 冒険とかじゃない、ファンタジー世界の住人の生活ぶりが覗いて楽しいです。

 とにかく楽しめましたー。個人的に、最後の展開はちょっと期待に沿わなかったかな、という感じはあるんですが、(理由はネタバレにつき反転:このまま七人で経営を続けていってくれると思ってたんです)、でもテンポの良い物語で、面白かったです。
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銀盤カレイドスコープVol.5 ルーキー・プログラム:Candy candy all my rules  [海原 零 スーパーダッシュ文庫 2005/09/24 読了] [bk1] [Amazon]

 捻挫のため氷上に上がれないタズサ。なんとなく訪れた京都で、アイドル兼スケーターのキャンドル・アカデミアで偶然に出会う。仲良くなった二人。タズサはキャンドルを高島邸に招待するものの、初対面からタズサの妹ヨーコが反発。そして、キャンドルの兄でロックスターのエアーと引き合わされたタズサは、彼に突然告白されるが……。
 アニメ化決定な銀盤カレイドスコープ五巻目。今回の主役は、タズサっていうよりも、キャンディですねー。視点も大方キャンディですし。

 内容は、まあ面白かったです。正直なところは、展開も、スケートシーンも、二巻とかに比べたら物足りない、なんですけども。
 タズサは仲良くなったキャンディと最初は楽しくやってますが、それがいつしか妙な方向に……。この辺りのもって行き方や(とくにキャラクターの心情面の変移)、アイドルとスケーターと両立させようとしたキャンディの結果なんかは良かったですけどね。

 今回展開の中で面白かったのは、やっぱりオーディエンスコートの結果、それから「タズサとのスケート勝負」ですね。他者の視点で見ることで、タズサの実力が違って見えてきますし。でも、これは前巻でもやっていることなんで、繰り返して思っただけですが。
 それから、もう一つ。エアーとのことは、展開の要素としては弱いかな、という感じでした。タズサがあれなので、何か大きく変わり映えするわけでなし……。うーん。

 キャンディの心情描写は丁寧で結構分かりやすかったです。同感とか、感情移入とかはできなかったんですけど、理解できる範囲でしたし。彼女の過去のエピソードとかで納得がいくんですよね。

 あとは、ステイシー。彼女のプログラムって、曲が馴染み深いだけに、頭の中で曲を流しながら、スケートシーン読みました(笑) 

 今巻も楽しめる部分はあったけれど、そろそろまたタズサの視点での彼女の話というのを読んでみたいなぁ、と思いつつ次待ちですかね。
 あと、本編で関係ないけど、あとがきの○ーゼンメイデンネタが妙におかしくて吹きました(アニメは見てないけど、原作ファン)
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三千世界の鴉を殺し11  [津守 時生 ウィングス文庫 2005/09/26 読了] [bk1] [Amazon]

 都市警察の電脳課刑事の協力を得、保護することになったルシファード。自分たちが狙われているため、サラやカジャを遠ざけようとするが、サラはそのことに怒りを抱く。
 ルシファードは憲兵隊隊長、マルチェロ・アリオーニと情報収集に赴くこと。
 やっぱりイラストがなじまないなぁ……と思いつつ、11巻読了。とはいえ、このシリーズ、展開が遅いので、感想書くネタが少なくて書きにくいんですけどもー。

 とりあえず今回の笑ったポイントを箇条書きで。一応反転しておきます。
  ・いつもながらのO2大人げなさ
  ・早口言葉『カジャ・ニザリ』連続十三回……ほんとだ、言いにくい(笑)

 ワルターとマルチェロの犬たとえは、なんだかぴったりですねー。ルシファなら……なんかぴったりくるのがとっさに思いつかないけど、ジャーマン・シェパードとか(賢いけどちゃんとしつけないとトラブルメーカーになる犬(笑)って、マルっちと同じじゃん) 容姿ならベルジアン・グローネンダール?(真っ黒な美形犬(白混じることあり。美形どうこうは私的美的感覚)) 

 ストーリーは本当に遅々として進んでいないですからねー。最後にちょこっと重要なキーワードが出てきたくらいで。
 サブな要素ではO2とマリリアードの結婚生活が回想で語られたところが楽しめたのと、メリッサとワルターは復縁できるといいけれどー、というところかしら。

 とりあえず今回も笑えて面白かったです。でも一番笑えたのは、あとがきだったかも(笑) まさかハガレンネタが来るとは……。あと、貴腐人って(笑)
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12DEMONS  [御堂 彰彦 電撃文庫 2005/09/27 読了] [bk1] [Amazon]

 学園祭の日。いつも通りの日常のはずが、突然の変化をみせた。突然、周りから人間が消え、学校意外の場所は黒一色の世界になる。悪魔の部品を持つ12人が揃い、彼らは否応なく悪魔復活のための呪われた儀式に巻き込まれたのだった。
 12の部品を集めたものだけが生き残り、残りは死ぬ。制限時間は今夜零時。 そんなルールを強要された彼らは、悪魔の部品争奪戦にそれぞれの形で参加せざるを得なくなるが……。
 なんとなくタイトルに惹かれて買い。
 この話は……あとがきからそのまま言葉借りますが、「十二人の高校生が、意図せずに所持した悪魔の部位の争奪戦を繰り広げる学園モノ」、ですね。
 面白かったですー。12の悪魔っていうから、12体の悪魔がいるのかと思ったら、部品なのか……。
 あと、単発ものかと思ったら、途中で終わってました。……かなり気になるところで。それはともかく。

 登場人物12人。最初、「覚えられるかー!」という感じでしたが(笑)、意外と把握はしやすかったです。有る程度勢力がまとまっていることもあって。小出しに出てきますし。

 面白かったのは、12の部品を集めたものだけが生き残り、他は死ぬ、というルールと、各部品の所持者が、それぞれの部品に応じた特殊能力(たとえば、朽木椎矢は悪魔の眼を持っていて、他人が所持している悪魔の部品が視えるという特殊能力があります)が効いているせいでしょうかね。
 このルールのおかげで生まれる、心理的な緊迫感、というのがうまく表現されています。生死がかかってますからね。人間の生への欲望が書かれる、というとなんか生々しいですが……。
 また、全員が助かる方法、というのも用意されているんだけど、とくにこれがくせ者。みんながみんな心理の罠に陥っちゃってますね。
 あと、ルールと特殊能力のおかげで、争奪戦もそれぞれの戦略が生まれて、盛り上がりますねー。豪のときもでしたが、椎矢、琴葉の二人がとくにうまいことを。

 物語は儀式を始めた黒幕が誰なのか、というのは明らかにされてないですねー。簡単に読めるかと思ったけれど、意外と……。残りのキャラクターから察するに、アレかなーというのはあるけれど。

 面白かったし、続きが気になりますー。まだ全員が出会ってないですし。黒幕のことやら、最終的に彼らがどうなるのか。とにかく続き待ちですね。
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魔法鍵師カルナの冒険2 銀髪の少年鍵師  [月見 草平 MF文庫J 2005/09/28 読了] [bk1] [Amazon]

 魔王サバテ復活事件から半年。相変わらず鍵師としての特訓をしているカルナ。そこへ一通の手紙が届いた。鍵師の資格試験票で、師匠ミラが勝手に申し込んでいたものだった。本来、鍵師は資格がないと仕事ができないらしい。
 カルナは、今年の試験官を勤めることになったミラとともに、試験会場「賢者の学院」へ向かう。そこで、アネルカという赤毛の明るい少女に、ブレイトンに似た銀髪の少年、スターリングと出会う。スターリングが気になりつつも、試験に挑むカルナだったが……。
 一巻と比べても全く劣らない面白さ。元々続編の構成があったものらしくて、そのせいか非常に安定した造りでした。相変わらず鍵開けシーンがめちゃくちゃ面白いです。

 今回は、ロックスミスの資格試験を受けることになったカルナが試験に挑みます。この試験内容、なかなか凝ってて面白いですねー。鍵開け、というこの作品の魅力が集約されてますよ。
 また、カルナの力量の書き方もうまい。優秀なんだけど、やっぱり師匠にはとても適わない、そんな力量差がよく書かれてますね。また、カルナは比較対象が師匠だけなので、実力に対していま一つ自覚とかないのも自然な流れだし、嫌味がなくていいです。

 それから、今回登場のキャラクター。陽気でなぜか関西弁なアネルカと、訳ありっぽい銀髪美少年のスターリング。とくにスターリングはラブの予感ー(笑) というわけで、あっさりお気に入りキャラクターに(笑) ブレイトンに似ている、というのはやっぱり気になりますねー。
 それにしても、彼の師匠は予想してませんでした。おおー、という感じでしたね。

 今回もどこかで繋がってくるんだろうなーと思っていた要素は、そう来るか、という感じで。うーんミラの先生とか睨んでたんだけどなぁ。

 とにかく、面白かったですー。スターリングも気になるし、これは続きも期待です。面白さがそのまま引き継がれていたおかげで、楽しみなシリーズになりました!
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紅牙のルビーウルフ  [淡路 帆希 富士見ファンタジア文庫 2005/09/29 読了] [bk1] [Amazon]

 盗賊団ブラッディ・ファングの面々と、狼に育てられた少女、ルビーウルフ。しかし、ある日突然の襲撃を受け、盗賊団の皆と狼たちを殺されてしまう。襲ってきたのは、グラディウス国軍魔導騎士舞台、通称ガーディアンだった。ルビーウルフこそが、十五年前に城から攫われたシャティナ王女である、という。
 しかし、王女を攫ったというゲイリー・コルコットの息子で、ガーディアンに属するジェイドは、彼女を傀儡の女王にしようとしている宰相たちから守るため、彼女とともに城を逃げ出すが……。
 第17回ファンタジア大賞、準入選作品。王道ファンタジーですかねー。攫われた王女に乗っ取りをたくらむ奸臣。ファンタジーな要素たっぷりな<導きの剣>とか。狼とか。
 キャラクターが結構魅力的なので、普通に面白かったです。

 ルビーウルフのキャラクターはさばさばしてて良いですね。ジェイドをからかって遊んでいるところとかはなかなか楽しいです。
 一方のジェイド。最初出てきたときは、「よくあるお助けキャラ君?」という感じで、いま一つ個性を感じられず、微妙と思ってたのですが、デコの面積広いことを気にしてることが明らかになってきたあたりから、結構好きになってきました(笑) いや、それも個性と思い……。
 ミレリーナ姫とエリカは共にお気に入りNo1キャラです。二人ともいい味出してますよねー。
 それから、狼ー。正直なところ、動きの描写は某作某白狼に比べたら遥かに劣るので、物足りないとは思いつつ、やっぱり好きですよー。ケーナもフロストも可愛いです。
 ただ、悪役が。最初盗賊団に対してあれだけの仕打ちを行っておきながら、いま一つ残虐に踏み切れていない感じをちょっと受けましたね。残虐を期待していたわけではないですよ。もちろん。ただ、キャラクター的に、んん? と引っかかりを覚えてしまっただけです。あと動機がちょっと弱いような気がしないでもないかなぁ?

 ストーリーはまあ、王道なので取り立てて言うこともなし、という感じでした。ただ、この手の話ならばラストで大抵爽快感、というのはあるのですが、この作品ではあまり感じなかったですかね。うーん。ラストは悪いわけじゃなくて、むしろ良いとは思うけれど、やっぱりストーリーが普通過ぎたから?

 この作品は王道を魅力的なキャラクターで良く見せている、というか。とにかく、普通に面白かったです。
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かくて背信の旅はおわる トワイライト・トパァズ4  [佐々原 史緒 ファミ通文庫 2005/09/30 読了] [bk1] [Amazon]

 「思慮の塔」の魔導士仲間からも追われる身となったトパァズたち。ヴィットーレに拉致された師匠ルキウスを奪還するべく、神都の対岸の街リガータを目指す。しかし、そこでまたもや爆弾テロに巻き込まれてしまう。
 トパァズ最終巻。タイトルもラストだなぁ、という感じですねー。
 それにしても、これで終わりかぁ。久しぶりに終わるのが惜しい、寂しいと思った作品。だらだら長く続いて、そろそろ終われー、と思うよりはいいのかもしれないけれど、やっぱり残念な気がします。それくらいにお気に入りの作品なのです。

 師匠奪還のために、今や味方になった師匠の弟セサルも交えてトパァズたちは行動します。んーと、最終巻のせいか、いつものようなノリの軽い部分は少なめですね。待ち受けるのはもちろん、前回出てきたあの人たち。

 とりあえず率直な感想は、ラストは期待とは違ったけれど(ルキウス様とのラブが物足りません)、面白かったです。やっぱりトパァズが師匠のために、最良の判断を蹴ってでも行動する様と心理描写が良かったですよ。それだけに、最後のラブを期待したのですが(笑)、まあ、あのお師匠のことなので、あんなもんなのでしょう。
 んで、師匠……。最後はそうなっちゃうのですか。でも、オビにもある、「必要なら命だって、おまえにくれてやる。だから、戦え」という文句は良かったですー。
 しかし、微妙にセサル君がおいしかったです(笑)

 アダマスは色ボケハイ・エルフとか呼ばれつつも、やっぱり硬玉の賢者様、最後の最後で規模のでかい見せ場が。そんでもって、ラストでは結局そういうオチになるんですね。うーん。なんというか、心情的にはしんみりしちゃうんだけど、ノリが軽くて、あー、彼女は彼女だなぁ、という感じでした。また、この世界観で話が語られるときがあれば、元気に登場してほしいなぁ、と思いました。

 フランカ。彼女の結末どうこうよりも、その後の彼女の名前の語られ方、というのが切ない感じがしましたねー。

 一応旅の目的は果たせたけれど、結末は大団円とは言いがたいような感じがちょっと残念。でも、ラストは嫌いじゃないです。あー、終わっちゃったんだなーという寂しさもありますがー。

 この世界観の話はもっと読んでみたいですね。次回作はまた別のお話だそうですけども。
 とにかくお気に入りの作品。最後まで面白く楽しく読めました。
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☆管理人メモ
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この月のイチ押し作品バード・ハート・ビート 舞姫天翔!


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